接客テクニックシリーズ!「お客様のまつげの状態を根拠にしたご提案」のフローを学ぼう

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マツエクを楽しみ続けるためには、お客様自身の「自まつげ育成」は大切なこと。しかし、「まつげが傷んでいるお客様がいても、なかなか言葉では伝えきれない…」「不快な思いをさせないだろうか?」など、どこまで踏み込んでご説明したら良いのか悩ましいですよね。今の状態を知っていただき、かつ改善いただくためのご提案はどのように行うのがいいのでしょうか?しっかりとテクニックを学んでおきましょう!

「自まつげの状態」に共通認識を持つための簡単な方法

お客様に受け入れられるご提案への第一歩は、「お客様と共通認識を持つこと」 から始まります。今回のテーマである「お客様の自まつげの状態」について言えば、

1.アイリストがお客様の自まつげの状態をチェックする
2.お客様に自まつげの状態をお伝えする=アイリストと共通認識を持つ
3.アイリストとお客様が「改善したい部分」と「理想の状態」を共有する
4.アイリストがサポートしながら、お客様と現状の改善を目指す

といったフローになります。

しかし、お客様自身が認識している状態とアイリストから見た状態の間には、大きなギャップがあることが多いです。なぜなら、自まつげの状態というのは、自分の目で確かめることが難しいから。そのため、多くのアイリストが、先程のフローの「②お客様に自まつげの状態をお伝えする」という部分で、なかなか伝えられず悩むことになるのです。では、お客様と共通認識を持つためには、どのような伝え方をしたらいいのでしょうか。

まず、前提として、自分のまつげに対して危機感を持っているお客様は少ないという現状があります。例えば、髪の毛の場合、自分でもダメージに気づきやすい上に、周囲からも目につきやすいため、「何とかしたい!」という気持ちが湧きやすいですよね。そのため、美容師から「少し乾燥しているようですね」と言われたとしても、「そうなんです。最近、パサついていて…」と会話が自然とかみ合うことも多いはず。さらに、ヘアケア用品は種類が豊富で、手軽に購入しやすいため、自発的にケアを行っているという人も多いです。
一方、まつげの場合、アイリストから「このような状態です」とお伝えしたとしても、「え?本当に?」というところから始まることが多いのです。自まつげの状態をまったく自覚していない状態のお客様が多いため、アイリストはより詳細に、具体的に伝える必要があるのです。

では、話を本題に戻しましょう。お客様とアイリストが、「自まつげの状態」に対して共通認識を持つためには、写真に撮って直接見てもらう方法が一番の近道。みなさんも、自分が詳しくない話題について言葉だけで説明されたら、なかなか頭に入ってこないのではないでしょうか。直接写真を見ながらお伝えすることで、お客様にイメージしてもらいやすくなるでしょう。普段、自分のまつげの写真を撮って眺める機会というのは、ほぼ無いに等しいです。だからこそ、マツエクサロンでは、自分のまつげの状態について振り返ることができる、貴重な時間を過ごしていただきたいですね。

ただ、これまでに何通りものまつげの状態を見てきたアイリストとは違って、「健康な状態のまつげって?」というお客様がほとんど。写真を見てもらうときは、「健康な状態」の写真と一緒にお見せするようにすると、より理解してもらいやすくなるでしょう。
「健康な状態」の目安となるのは、日本人の平均である「長さ6.8mm、本数(上)約120本、本数(下)約40本」というデータ。お客様のまつげの写真を撮る際に、定規をあてて長さが分かるようにし、日本人の平均値と比較してあげると、より伝わりやすくなります。顔専用の定規も販売されていますが、市販の定規を使用してもOK。その場合は、まつげを根本から正確に測れるように、0mmから始まるものを選ぶようにしましょう。

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画像元:公式HP
まつげや眉毛など、顔のパーツを測るのに便利なフェイススケール。100枚入りの使い捨てタイプなため、衛生面でも安心です。まつげや眉毛にかかっても目盛りが見えやすいよう、ピンクの印字カラーを採用。正確性を追求した日本製です。

以上のように、「自まつげの状態」について共通認識を持つためには、お客様の目元を撮影し、写真を見ながら具体的にお伝えすることが大切。このとき、忘れずにお伝えしなくてはならないのは、自まつげの状態を改善することは、「マツエクの質を高めることにつながる」ということ。長く、太く、健康な状態であればあるほど、接着面が多くとれて持続性が高まります。さらに、エクステの重さが加わっても、施術時の向きを綺麗にキープできるようになるのです。

毎回「自まつげの状態」を話題にする習慣を

ここまで解説してきた「自まつげの状態」をお客様にお伝えする方法、これは初回の来店時だけに限ったことではありません。まつげの状態というのは、絶えず変化していくもの。来店される都度、お客様とまつげの様子について会話することは、習慣化しておくといいでしょう。習慣づけるためには、チェックポイントを簡単にリスト化しておくと便利です。今回は、自まつげチェックをすることの多い「カウンセリング」と「施術」というタイミングで、それぞれチェックしておきたいポイントを挙げてみました。

カウンセリングで状態チェック

まずは、目視で以下のポイントをチェックする。

・長い毛と短い毛(産毛)の長さ、太さ、量
・クセの程度(毛流れがきつい、カールの強さ、向きなど…)
・切れ毛
・不自然な抜けがあるかどうか

 

次に、触って以下のポイントをチェックする。
(※皮脂が付着しないように、必ず前処理の前に実施する!)

・弾力(エクステを支えられるかどうか)
・ハリ

施術時に状態チェック

カウンセリング時には、下まつげと重なって見えにくいことも多いですよね。施術時にテープを貼った状態で、間近からまつげの状態をチェックしましょう。

施術時の状態チェック(テープを張った状態)

テープを貼った状態だと、細い産毛までしっかりと見ることができますね。施術時の状態というのは、アイリストだからこそ見ることの出来るアングル。ぜひ、この状態の写真も撮影して、お客様にお見せするとより伝わりやすいでしょう。

以上が、主なチェックポイントです。前回、自まつげのダメージを指摘したお客様であれば、必ず前回からの変化についてお伝えすることを忘れてはいけません。「前回に比べて、改善してきましたね!」とお伝えすれば、お客様の自まつげケアに対するやる気にもつながるのではないでしょうか。

自まつげの状態を知っているからできる「お客様への商品紹介」おすすめテク

いよいよここからは、お客様の自まつげ改善に向けて、商品を提案するステップについて。アイリストの説明がお客様の心にしっかりと届いていれば、きっとまつげケアの必要性について感じてもらえているはず。お客様自身が、「こんな状態だったなんて知らなかった…」という発見から「なんとかしたい!」というように意識が向けば、まつげケア商品を手に取ってもらえるまで、あと一歩です。アイリストとしては、お客様が自分のまつげの状態に興味を持ち始めたタイミングを逃すことなく、最適な提案をしてあげたいですね。

まずは、自まつげの状態を踏まえ、「このお客様に必要なアイテムは何か」を考えることから始めましょう。例えば、まつげ美容液で考えてみると、

・毛量が少ない、一部分だけ抜けがある → まつげが育つための栄養を与えてくれるタイプ
・量はあるけどクセが強い       → ブラシタイプの美容液(毛流れを整える)

といったように、状態によっておすすめする商品も変えていく必要があります。

ここでの「必要なアイテム」というのは、必ずしもサロンの店販品である必要はありません。市販品で効果が実感できるようであれば、無理にアイリストから別のアイテムを提案する必要はないからです。ただし、「市販のものでは効果が出なかった」「どんなものがおすすめ?」と聞かれた場合は、店販品をおすすめするチャンス。市販品と違って、配合成分や品質などに関する知識を持っている分、責任をもっておすすめすることができるでしょう。仮に、そのときは購入に至らなかったとしても、印象に残るような説明ができていれば、お客様の方からお声がけしてもらえることもあります。

説得力のあるご提案を目指すためには、次のことに気をつけてみましょう。

単なる商品説明ではなく、必要性をお伝えする 

商品の公式ページにも記載されているような商品説明だけでは、お客様の印象には残りません。「この状態のままエクステを付けるとどうなってしまうのか」について具体的に説明し、「だから、この商品がおすすめなんです!」と必要性をお伝えすることが大切です。そして、この商品を使い続けることでどのような効果が期待できるのかまで、説明できるとさらに説得力が増しますね。

経過チェックのお声がけを忘れずに

アイリストのご提案によって購入いただいたお客様に対しては、効果を実感いただけたかどうか、経過チェックを忘れてはいけません。アイリストの目から見ても効果が表れ始めたお客様には、写真に撮って、前回からの変化を比較してあげると喜ばれるでしょう。

「お客様のために」という姿勢が大切!

店販品というのは、サロンの売上につながる大切な要素。だからといって、お客様に買っていただくことが、第一の目的ではありません。あくまで、「お客様の自まつげの状態を改善したい!」「もっとマツエクを楽しんでもらいたい!」という姿勢が大切。それが、マツエクに携わるアイリストの使命でもあります。お客様の自まつげが美しく、健康な状態へと変化したとき、一緒になって喜び合える、そんなアイリストを目指していきたいですね。

まとめ

商品をおすすめする際に大切なことは、お客様との間に信頼関係が築けているかどうか。これには、普段、どれほどお客様のまつげの状態に対して真摯に向き合えているかどうかが関わってきます。自まつげの改善に向けて一緒に頑張ってきたアイリストは、お客様にとって大切なパートナー。まつげケア商品についてご提案した際にも、しっかりと耳を傾けてくれることでしょう。一方、信頼関係が築けていない状態で商品をご提案した場合、それは「押し売り」のようにとられてしまうかもしれません。人は、本来警戒心の強い生きもの。誰しも、心の中では「売りつけられたくない」という意識を持っています。まずは、丁寧なカウンセリングによって、お客様との心の距離を縮められるように、心掛けてみましょう。180607Esa

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