「セルフマツエク」のグルー、本当に安心??危険性を知っておこう

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低価格で場所や時間を選ばないことで、人気が拡大しつつあるセルフマツエク。ただ、資格を持つアイリストの施術とは、質や安全性の面でかなり差があるのも事実です。今回は、セルフマツエク時のグルーの刺激や起こりうるリスクについて考えてみましょう。

セルフマツエクってなに?

セルフマツエクとは、マツエク施術をサロンで行うのではなく、お客様自身で行うこと。
サロンのような繊細な技術をイメージすると、素人には難しく思われがちですが、YouTubeやSNSなどの動画配信サービスでは手順を丁寧に解説してくれている動画もあります。さらに、施術に必要な「セルフマツエクキット」も、Amazonなどの大型通販サイトで購入可能なため、そこまでハードルは高くないようです。

マツエクというのは、美しい仕上がりを維持するためには継続して通うことが必須条件。サロンのマツエク施術では、「お金がかかる」「忙しくてなかなか通えない」などの悩みを感じるお客様も少なくありません。一方、セルフマツエクには「安く済ませられる」「自宅で好きなときにできる」などのメリットがあり、サロンでのマツエクを続けることが難しい女性にとっては魅力的に感じる方法といえるでしょう。
以上のような特徴を見てみると、「セルフマツエクの方がいいかも…」と感じる女性が多いのも納得できますね。

ただ、意外に重要視されていないのが、セルフマツエクとサロンのマツエクでは、施術方法に大きな違いがあるということ。これは、仕上がりや起こりうるトラブルなどに大きく影響する重大なポイントです。
サロンでのマツエクでは、ご存知の通り、お客様は目を閉じた状態で施術を受けることになりますよね。一方、セルフマツエクでは、目を閉じてまつげを装着することは難しく、絶えず目を開いた状態となります。

このときに注意したいのは、「グルーの主成分であるシアノアクリレートの刺激性」について。シアノアクリレートはまつげに含まれる水分と反応することで硬化しますが、その際にホルムアルデヒドという揮発成分を放出します。このホルムアルデヒドが目への刺激成分となるわけですが、水分が豊富な眼球の至近距離でグルーを使用すると果たして刺激はどのようになるでしょうか…?
水分が多いということは、その分、シアノアクリレートの反応が強くなるということ。結果として、ホルムアルデヒドの放出量も増えてしまい、施術中は常に強い刺激を受け続けることになるでしょう。あまりに刺激が強いと、重大なアレルギー反応を引き起こし、マツエクの施術が受けられない体質となってしまうこともあります。
サロンとセルフの施術方法の違いが、いかに重大なものであるかお分かりいただけたでしょうか?

サロンで使用するグルーは、目を閉じた状態での刺激を考えて開発されたもの。同じものをセルフで使うと、強い刺激に施術どころではなくなってしまうこともあります。では、セルフマツエクでは、どのようなグルーを使えばいいのでしょうか? 次で、見ていきましょう。

セルフ用のグルーって何が違うの?

まず、セルフマツエクで使用するグルーとサロンでのグルーは、明確に区別されているわけではありません。ただ、セルフマツエクで使用するグルーは、「目を開いた状態でも施術を続けられるほど、刺激が少ない」ものである必要があります。低刺激性については、サロンで使用するグルーにおいても重要視されるポイントではありますが、シアノアクリレートが主成分である以上、まったく刺激のないグルーというのは存在しないというのが現状です。
※参考:素朴な疑問!「完全に無刺激のグルーってあるの?」

原料の違い、含まれている不純物の量によって、刺激が少なくなるよう開発されたグルーもあります。セルフマツエクでよく使われるグルーの中には、硬化速度が遅いものの刺激は少ないメトキシエチルシアノアクリレートを主原料とするグルーもあるようです。
ただ、いくら刺激が少ないものを使ったとしても、アレルギーなどのトラブルがまったく起こらないわけではありません。セルフマツエクの方が刺激を感じやすくなるということは、涙の量も増えるため、白化現象も起きやすくなってしまいます。
次は、セルフマツエクがどのように危険なのか、深く掘り下げてみましょう。

セルフマツエクの危険性

サロンでのマツエクは、資格を持ったアイリストが、しっかりとお客様の目元が見える位置で行います。一方、セルフマツエクでは、どうでしょうか?例えば、鏡を見ながら自まつげをかき分けるという作業。日本人に多い下向きまつげは、正面からだとなかなか一本ずつを判別するのは難しいでしょう。しかも、鏡の中では左右反対の状態…。マツエクにとっては、とても重要な健康毛の判別が、セルフマツエクではおろそかになってしまうことが予想されますね。このように、サロンでは品質面、リスク面から絶対にNGとされることも、セルフマツエクでは日常茶飯事なのです。

実際に、セルフマツエクで起こりうるトラブルを次に挙げてみました。

・目の中にグルーが入る
・グルーがまぶたに付着する
・ツイザーが目や皮膚に刺さってしまう
・グルーのアレルギーなどのトラブルに適切な対処ができない

鏡を見ながらのマツエク装着は、距離感をつかみづらいばかりか、細かいところまでチェックしながら行うことが難しくなります。装着に手間取ることで、グルーの劣化も進んでしまうことでしょう。手元も視界も不安定な状態で施術を進めると、グルーやツイザーが目や皮膚を傷つけてしまうことも考えられます。

もし、施術中に何らかのトラブルが発生した場合、セルフマツエクでは迅速で適切な対処が難しくなってしまいます。その点、サロンではグルーに対しての知識を持ったアイリストが対応するため、万が一のトラブル時にも安心です。
※参考:ちょっと待って!「セルフマツエク」の危険性

以上のようなことを踏まえると、手軽で自由度の高いセルフマツエクが、とても危険な行為だということがわかるのではないでしょうか。。安全で仕上がりの美しいマツエクを実現するには、必ずプロの力が必要。もしお客様でセルフマツエクを試みる人がいたら、必ずこの点を説明すべきと言えます。最悪のケースでは失明の危険すらある危険なセルフマツエクを、「手軽」と言って行うのは大変危険ですので、絶対にNG。しっかりとご理解いただけるよう、ご説明しましょう。

まとめ

セルフマツエクは、医療関係者やアイリストは絶対におすすめしていません。なぜなら、低価格や手軽さなどのメリットを打ち消してしまうほどの危険性をはらんでいるからです。アイリストとしては、マツエク施術にきちんとした資格が必要である意味を、積極的に発信していきたいですね。

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