基礎化粧品を販売するアイリストが知っておきたい!お肌の知識まとめ

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マツエクアイテムと一緒に肌の基礎化粧品を販売するサロンが、徐々に増えています。店舗で取り扱う商品をお客様におすすめするときには、基本的なお肌の知識を知っておくと説明もスムーズです。また、お客様の肌悩みに対して美容のプロとしてのアドバイスができれば、満足度を高めていくことも可能でしょう。そこで今回は、基礎化粧品を販売するときにアイリストが知っておきたいお肌の知識に焦点をあててご紹介していきます。

お肌の構造について

肌(皮膚)は、人が生命を維持していく上で重要なはたらきをしている組織です。体内の水分が蒸発するのを防いだり、外側から異物が侵入するのを阻止したりと、さまざまな役割を果たしています。人体の中で最も大きな臓器であり、その重さは体重の約16%。また、唯一外界と直接接する臓器でもあり、有害なものがからだの中にまで入らないよう、さまざまな機能を発揮して私たちを守っています。

まずは肌の基本構造である、表皮・真皮・皮下組織の3つの層について見ていきましょう。

出典:花王

化粧品が有効にはたらく「表皮」

表皮は一番外側にある肌で、化粧品が有効にはたらくとされる層です。肌の知識を深めていくときに、はじめに理解しておきたい組織です。主に「水分を一定に保つ役割」や「外界の刺激からからだの内部を守る役割」、「肌の生まれ変わりの役割」を担っています。表皮はわずか0.2㎜ほどの厚さながら4つの層に分かれており、上から順に角層・顆粒層(かりゅうそう)・有棘層(ゆうきょくそう)・基底層(きていそう)で構成されています。

肌のハリや弾力の司令塔「真皮」

真皮は表皮の奥にある層で、弾力のカギを握る「コラーゲン線維」が大部分を占める層です。肌のハリや弾力を保つ中心的な組織と覚えておくと良いでしょう。主にコラーゲン線維とエラスチン線維、ヒアルロン酸で構成されており、これらをつくり出す線維芽細胞(せんいがさいぼう)も存在します。この他、毛細血管やリンパ管などの生理的機能に欠かせない重要な器官も集まっている組織です。

からだを衝撃から守るクッション「皮下組織」

皮下組織は、真皮のさらに奥に位置する層です。厚さが約10㎜以上あり、主に、外部からの衝撃をやわらげるクッションのような役割を担っています。また、エネルギーを脂肪に変えて寒さからからだを守るはたらきも、皮下組織の役割です。

肌の6つの機能とは?

肌にはさまざまな機能が備わっていますが、とくに重要な機能は次の6つです。

1.バリア機能

紫外線やほこりなど、外部からの刺激からからだの内部を守る

2.分泌・排出機能

汗をかいたり、皮脂を分泌したりすることで老廃物をからだの外へと排出する

3.経皮吸収機能

毛穴や表皮を経由して、薬剤などを外側から吸収する

4.体温調節機能

寒さからからだを守り、体温を一定に保つ

5.感覚機能

温かいや冷たいなどの外側の刺激を脳に伝える

6.免疫機能

細菌や異物が侵入したときに、からだを守る

 

このように、肌は生命を維持する上で大切な役割を担っています。

 肌の生まれ変わり「ターンオーバー」とは?

出典:花王

肌の一番外側にある表皮は約4週間の周期で、生まれ変わっています。そのため、肌の状態に合ったスキンケアを続けていくと、いくつになっても肌はきれいになる力を秘めています。メカニズムを簡単に説明すると、基底層でつくられている新しい皮膚の細胞は成長にともない上へ上へと押し上げられながら、約2週間で肌表面の角層へと到達。さらに約2週間角層にとどまり、肌を守るはたらきを終えると、垢となってはがれ落ちていきます。このはたらきを「ターンオーバー」「角化」と呼びます。ターンオーバーは年齢が上がるにつれて周期が遅くなるため、肌状態に合わせたケアが大切です。また、紫外線による日焼けや肌荒れが起こっている場合には、ダメージの回復を早くしようとサイクルが乱れやすくなるため肌トラブルにつながりやすくなります。

うるおいを保つ仕組みとは?

出典:花王

肌のうるおいは、表皮にある皮脂膜・NMF・細胞間脂質という3つの保湿因子により保たれています。それぞれのはたらきについて見ていきましょう。

肌の滑らかさを保つ「皮脂膜」

皮脂膜は、肌の表面を覆っている油の膜のようなもので、皮脂と汗が混ざり合うことでできています。主に、肌から余計な水分が蒸発しないようにする役割を担っており、肌の滑らかさを保つ上でも大切な役割を果たしています。

細胞の中でしっかりと水分を抱え込む「NMF」

NMFは天然保湿因子と呼ばれる、水となじみやすいアミノ酸系の物質です。角質細胞と呼ばれる細胞の中でうるおいが保たれるよう、しっかりと水分を抱え込む役割を果たしています。

細胞と細胞の間をつなぐ「細胞間脂質」

細胞間脂質は、細胞と細胞の間に入りこみながら、水をしっかりとつかまえる役割を果たしています。また、細胞間脂質が細胞同士をつなぐことで、外界からの異物の侵入も防ぐことができています。

肌の乾燥はなぜ起こる?

出典:pixabay

肌には3つの保湿因子が備わっているため本来うるおいは一定に保たれていますが、ターンオーバーの乱れや年齢を重ねることによってこれらの保湿因子が減ると、肌が乾燥しやすくなっていきます。また、過剰な洗顔で皮脂膜が必要以上に洗い流されてしまうことによる水分の蒸発も、乾燥する原因のひとつです。

肌の乾燥はバランス良く化粧品で補う

出典:pixabay

肌が乾燥する場合には、化粧品をバランス良く使うことも大切です。皮脂膜に近い成分である「スクワラン」NMFに近い「アミノ酸」細胞間脂質に近い「セラミド」などが入った化粧品を組み合わせていくことが、肌の乾燥をやわらげていく近道です。

擦れがたるみの原因に!

出典:pixabay

マツエクが擦れに弱いのと同じように、肌も擦ってしまうと、たるみやしわの原因となります。そのため、できるだけ擦らずにやさしくケアしていくことは、マツエクと肌、どちらにとっても良いことです。ここからは、肌を擦ることによる肌トラブルや摩擦が起こりやすいクレンジングの見直し方法について見ていきましょう。

肌を擦ってはいけないのはなぜ?

肌を擦ってしまうことにより「肌トラブル」につながるケースがあります。たとえば、肌を擦ると「メラニン」が活性化しやすくなり、しみが発生してしまうというのもそのひとつです。また、摩擦によって肌表面を覆う皮脂膜が必要以上に取り除かれてしまうと、うるおいを保つ役割のNMFが流れ出てしまうため乾燥も加速します。この他、粉状になった角質が毛穴に詰まることによるニキビや吹き出物などの肌トラブルにつながるケースもあります。肌をきれいにしたいという気持ちからついゴシゴシとこすってしまうという人も少なくないため、肌トラブルがある場合には、クレンジングなどの強さを見直してみることも大切です。

擦らないケアを行うポイントとは?

擦らないケアを行うためには日頃の「癖」を見直すことが大切です。しかし、自分だけでは強さが分からないため、なかなか改善していくことが難しいポイントでもあります。基本の力加減で思い浮かべてほしいのは、赤ちゃんを触るときのようなやさしさ。または、卵をつかむようにそっと触れるイメージです。肌トラブルに悩むお客様には、次のようなチェックポイントで力加減の見直しをご提案してみると良いでしょう。

1. 無意識にほほや顎に手を置いていることが多い

2. 目をゴシゴシと擦ってしまうことがある

3. クレンジングにはふき取り化粧水を使っている

4. クレンジングをするときには汚れをゴシゴシと落としている

5. 泡洗顔は泡だけで洗えていない

6. ハンカチやタオルで汗を拭くときに、肌を擦ってしまう

 

上記の問いに2つ以上のチェックがつく場合は、肌への摩擦が強いケアとなっているため、肌トラブルが起こっている可能性があります。商品の使い方をお伝えするときに「擦らないケア」を提案することで、ご購入いただいた化粧品の効果も上がりやすくなるでしょう。

また、最近はこのような観点から「こすらない洗顔方法」として話題のものもあります。

気になる人はチェックしてみてくださいね!

まとめ

肌はさまざまな機能を発揮させながら、私たちのからだを守ってくれる存在です。うるおいを保つ機能も備わっていますが、擦るなどの間違ったケアから肌トラブルにつながることも少なくありません。客観的な立場からお客様の肌に接する機会のあるアイリストが肌知識を得ることで、取り扱う商品のご提案がスムーズになることはもちろん、さらに満足度の高い接客も可能となるでしょう。肌に対しての知識を深めて生かしていきましょう。201221Etm

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