「ポコっと残る…」マツエクが取れた後、グルーが一部分だけ残ったまつげがあるのはなぜ?

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リペアやオフに来られたお客様のまつげに、ポコッ、ポツッとグルーの一部分だけが残っていることがまれにありますよね。強固に硬化しているはずのグルーが、一部分だけを残して取れてしまったのですから、何らかの強い力が加わったのかもしれません。それとも、元から一部分だけしかグルーが付いていなかったのでしょうか?いずれにせよ、マツエクのモチに影響する可能性があるため、グルー残りは防ぎたいもの。今回は、まつげにポツッと残ったグルーの原因を探り、対策法を提案します。

自まつげにポコッとグルーが残るってどんな状態?

リペアやオフで来店されたお客様のまつげの状態はさまざま。前回の施術から経過時間やマツエクのデザインの違い、お客様のマツエクの取り扱い方などによっても、まつげの状態は変わってきます。中でも、心配なのは自まつげにグルーだけが残っているケース。

接着面全体ではなく、グルーが一部分だけ残るケースも…

当然ながら、マツエクは自然に生え変わるまつげに装着するもの。毛周期には逆らえないため、いくら完璧な施術を行ったとしても、いずれエクステは取れてしまう運命にあります。逆手に捉えれば、毛周期によって抜け落ちた自まつげにエクステがしっかりと付いている状態こそ理想のエクステの末路といえるのではないでしょうか。

ところが、実際にはまつげにグルーだけが残っているケースって意外と目にしますよね。また中には、ポコッ、ポツッとした凸物体が見られる場合もあるようです。あの凸物体は、接着面全体ではなく、グルーの一部分だけがまつげに残ってしまったケースだと考えられます。あの一部分だけのグルー残り…「ときどきあるよね。」と軽視してはいけない理由があるようです。

グルーが一部分だけが残る=グルーの接着力を弱める要因があるはず

ご存知のとおり、マツエク用グルーの主成分は“シアノアクリレート”という物質です。グルーがモノとモノを接着する仕組みは、シアノアクリレートが空気中の水分と反応して重合(じゅうごう)と呼ばれる化学反応を起こし、物質同士をしっかりとホールドすることによります。つまり、グルーが硬化することで自まつげとエクステの間にある接着部分に相互作用が働き、強い力で引き合い固定されるのです。また、ほんの少しの量で瞬時に硬化するうえ、接着力が大変強力であることも特徴のひとつ。

そのためグルー本来の接着力が発揮できていれば、自まつげにグルーだけが残ることは考えにくいのです。ましてや、接着面全体ではなく、グルーの一部分だけがまつげに残ってしまったケースは、グルーの接着力が局所的に失われてしまう何らかの要因があったと考える方が自然なのではないでしょうか。

グルーが一部分だけポコッと残る原因とは?

接着面全体ではなく、グルーの一部分だけがまつげに残ってしまうケースは、主に3つの原因が考えられます。では、原因別に解説していきましょう。

【お客様側に原因アリ?】しっかりと接着されているエクステに強い摩擦などの刺激が加わった

最も考えやすいのが、エクステ装着後に強い外部刺激が加わったこと。特に、グルー自体の劣化が進んでいない時期、つまりマツエクの施術からあまり時間が経過しておらず、まだしっかりとエクステが接着されているうちに強い刺激が加わると、グルー全体ではなく、一部分だけが残るという現象が起きる可能性があります。
実は、施術から時間が経過しグルーの劣化が進むと、グルーは軟化し、ぐにゃっ・ふにゃっとした感触になる傾向があります。そのため強い刺激が加わったとしても、まつげにグルーの一部分だけが残るという可能性は低くなると考えられるのです。
対して、グルーが劣化しておらず、強固に硬化している状態のマツエクに対して、強く擦る、引っ張るなどの刺激を加えると、ボロッ・カチッ・パキッというイメージで一部分だけを残し、グルーが剥がれてしまうという可能性があります。

【施術者側に原因アリ?】付け損じで、まつげに少量のグルーが残った

次に考えられる原因は、アイリストによる施術ミスによるもの。
まず、付け損じによって、自まつげに少量のグルーが付着。そして、自まつげに付着したグルーを処理しないまま、その上からエクステを装着した場合…エクステが取れたときに最初に付着させたグルーが、ポコッと一部分だけ残る可能性があります。
施術後の仕上がりは問題ないように見えても、最初に付着させたグルーによって接着面に凹凸ができているため、マツエクのモチが悪くなってしまいます。付け損じた場合には、多少時間はかかっても付着したグルーをきちんとオフし、スムーズな接着面を確保するよう心掛けましょう。

【グルーに原因アリ?】柔軟性に乏しいグルーを使用している

最後に考えられる原因は、グルーが適していない可能性です。
例えば、硬化後の柔軟性が極端に低いタイプのグルーを使用している場合。完全硬化後すぐにお客様が目元を擦ったり、エクステを引っ張ったりすることで、グルーがパキッと断裂し、一部分だけをまつげに残して剥がれてしまう可能性もあるでしょう。
もし、複数のお客様にグルー残りが見られるようなら、柔軟性の高いグルーに変更してみるのもひとつのアイデアです。

▼グルー選びに役立つ『グルーマップ』についての過去記事も参考にしてください。

またあってはならないことですが、使用期限を過ぎ、劣化した状態のグルーを使用することによって、グルー本来の接着力を発揮できず、グルー残りの現状が起きる恐れもあります。使用期限をしっかりと確認してグルーを使用しましょう。

グルーが残っている状態のお客様への対策とは

グルーが部分的にまつげに残ってしまう原因のうち、施術者やグルーの種類に起因すると考えられるものは、先ほど提案した対策法を参考に今後の発生を防げるよう努めましょう。ただし、お客様の間違ったマツエクの取り扱いが原因と考えられる場合には、アイリストから適切なアドバイスを行い、グルー残りの発生を防ぐ必要があります。

触り癖・掻き癖を認識してもらう

もしリペアやオフの際に、まつげに不自然な形で残ったグルーを見つけたら、完全硬化後に強い刺激が加わったことが原因と考えられます。しかしお客様の中には、マツエクを無意識のうちに触っている、目元を強く掻いているという方も少なくありません。つまり、触り癖や掻き癖があることに気付いていらっしゃらないのです。
そんなお客様には、マツエクが摩擦などの刺激に非常に弱いことと併せて、「触ったり、掻いたりする癖があるかもしれない」とお伝えしてみましょう。癖を認識できれば、意識的に触らないよう気を付けてくださるはずです。

どうしても触ってしまうなら、エクステの種類やデザインの変更を提案する

癖を認識しても、どうしても触ってしまう、掻いてしまうようならエクステの種類やデザインを変更すべきでしょう。触り癖や掻き癖は、マツエクに違和感があるからこそ起こるもの。そのため、以下のようなできる限り違和感の少ないものがおすすめです。

  • より自然で軽い付け心地のエクステに変更する(太さ0.1mm・0.15mmなど細めのエクステやフラットラッシュなどがおすすめ!)
  • 装着本数を減らす
  • 目尻や目頭を空けて装着し、マツエクの違和感を軽減する
  • 装着位置を通常より+0.5~1mmほど離して、違和感を軽減する など


どの対策を講じる場合にも、お客様とのコミュニケーションは欠かせません。エクステの種類やデザインの変更は触り癖や掻き癖を抑えるだけでなく、お客様のご希望を叶えられているかも考慮し、最適な対策法を見つけてください。

まとめ

まつげにポコッと一部分だけグルーが残ってしまう現象の原因や対策を考えました。グルー残りの原因を正確に断定することは難しいですが、原因となるパターンをいくつか知っておくことで対策も講じやすくなるでしょう。またお客様側に原因があると考えられる場合には、適切なアドバイスによってグルー残りを防げる可能性もあります。ぜひ日々の業務に活かしてください。200306Euk

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