赤字にならない!託児付きマツエク・美容サロンのお店作りのポイント

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「ママになってもきれいでいたい!」そう思う女性が増えています。一方、幼い子どもを育てるママにとって、1時間以上もかかるマツエクは、子連れでいくにはハードルが高いよう。そんなママたちから人気を集めているのが、託児付きサロンです。

今回は、託児付きサロンを作る方法や経営者の方から伺った運営のポイントなど、詳しくご紹介します。現在、託児付きサロンを検討中の経営者やアイリストの方はぜひ参考にしてみてくださいね。

託児付きサロンの需要

託児付きサロンを検討する際に知っておきたいのが、どれくらい需要があるかということ。よくリサーチしておかないと、託児利用者が少なく赤字になってしまうこともあります。

マツエクを我慢しているママは多い

出産を機にマツエクやエステをやめた女性が多い、というアンケート結果が出ています。株式会社リクルートライフスタイルが2018年1月に、「ママの美容意識」調査(5歳以下の子を持つ女性対象)を発表しました。その中の結果をいくつか紹介していきましょう。(調査結果より抜粋して紹介)

Q:出産を機に諦めた・やめてしまった美容サロンや美容メニューはありますか?(単位:%)

 

全体

20代

30代

40代

美容室(ヘアカラー)

27.1

37.4

24.8

22.1

ネイルサロン

25.0

26.2

26.2

17.0

エステサロン(脱毛)

22.9

29.9

22.9

10.7

美容室(パーマ)

17.8

24.3

15.0

21.5

マツエクサロン

17.1

19.8

17.3

11.8

エステ(痩身など)

11.4

12.6

10.7

12.5

Q:出産後に落ち着いたらまた再開したい美容サロンや美容メニューはありますか?(単位:%)

 

全体

20代

30代

40代

美容室(ヘアカラー)

22.4

30.5

20.8

17.4

ネイルサロン

13.0

16.0

12.9

8.9

エステサロン(脱毛)

14.0

18.1

14.2

5.9

美容室(パーマ)

12.7

13.1

12.6

12.2

マツエクサロン

9.2

15.9

7.9

4.7

エステ(痩身)

5.5

6.1

5.0

7.4

 

上記2つの結果の中から、マツエクサロンだけに注目してみましょう。(これはアンケートを受けてくれた人全体での割合になります)

 

全体

20代

30代

40代

出産を機にマツエクをやめた

17.1

19.8

17.3

11.8

産後マツエクを再開したい

9.2

15.9

7.9

4.7

さらに、「出産を機にマツエクをやめた人のうち、マツエクを再開したい」と思っている人の割合に直してみました。

 

全体

20代

30代

40代

出産を期にマツエクをやめたが、産後再開したい

53.8

80.3

45.7

39.8

「マツエクを再開したい」と答えたママは全体の約半数。特に20代では、約8割ものママがマツエクを再開したいと考えているようです。さらに20代ママの場合、3歳未満の子どもが多く、子連れOKのマツエクサロンの需要が高いと言えるでしょう。

株式会社リクルートライフスタイル:「ママの美容意識」調査データ集

託児付きサロンは儲かる?

以前こちらの記事でも託児OKのサロンについてご紹介しました。

子連れOKのマツエクサロンは、

  • キッズスペースがある
  • 個室または半個室がある
  • 託児室がある

の3つのパターンに大別されます。これらの大きな違いは、対象とする子どもの年齢と必要となる費用です。

子どもの条件

子連れOKの条件は、それぞれ次のようになっているサロンが多いようです。

キッズスペース

ひとり遊びができる

ママと離れられる

個室または半個室

ひとり遊びができる

託児室

首がすわっている

託児室の場合は保育専門のスタッフを配備しているため、赤ちゃんの預かりが可能となり、対象となる幅が広がります。一方で、キッズスペースや個室よりも諸経費がかかることに注意しなければなりません。

託児OKサロンの費用

託児室付きサロンを作るために必要な費用には、初期費用人件費があります。初期費用は、キッズスペースを作ったりおもちゃを用意したりするための費用。人件費は、託児室で子どもを見守るスタッフや保育士を雇う費用です。

在籍アイリスト4人で、常勤の保育士1人を雇い託児室を作ると仮定しましょう。
その場合に託児に必要となる費用は、

初期費用:およそ20万円
人件費:およそ月12万円

これらの費用をかけて利益をマイナスにしないためには、少なくとも保育士の人件費12万円以上を毎月上乗せで売上を立てる必要があります。

では、託児付きにすることで利益が上がると考えられるのは、どのようなエリアでしょうか

エリアを絞り込むためには、

  • 小さな子どもが多い地域
  • 子連れを狙ったサロンの有無
  • 現状のお客様からのニーズの有無

といったことをリサーチすると良いでしょう。

マツエクサロンに限らず、美容室や飲食店などを参考にすることもおすすめです。子連れスペースを完備している美容室が多い、キッズチェアを用意している飲食店が多いといった場合には、託児室を新たに作るメリットは高いと考えられます。
そして先ほど紹介したアンケート結果からも分かるように、20代のママが多い地域もひとつの指標にできるでしょう。

キッズスペースのポイントとは?

託児付きのキッズスペースを作る手順は、次の通り。

1.キッズスペースの広さを決める
2.床を柔らかいマットなどにする
3.遊び道具を用意する

ひとつずつ解説しましょう。

1.キッズスペースの広さを決める

広さは、とても重要です。狭いキッズスペースでは、子どもが十分に遊べなかったりするだけでなく、安全面でも不安があります。一方、広すぎても託児スタッフの目が行き届かないことが増え、危険性が増すでしょう。母子ともに安心して利用できるキッズスペース作りを目指しましょう。

2.床を柔らかいマットにする

キッズスペースを作る上で最も大切にしたいことが、安全性。床に柔らかいマットを敷いておくと、転んでも怪我をするリスクが低く安心です。さらにカーペットだと汚れた際の掃除が大変ですが、マットであればさっと拭くだけですみます。
またテーブルやイス、収納棚などの角などをカバーしておくことも忘れてはいけません。角がない家具を選べば問題ありませんが、もし角がある家具を置く場合には、クッションテープなどを活用しましょう。

3.遊び道具を用意する

キッズスペースにあるおもちゃが子どもの興味をそそらなければ、子どもは楽しく過ごすことができません。子どもを預ける際に、「いやだ~」と泣き叫ばれては、ママも安心して施術が受けられないでしょう。そのため、キッズスペースは楽しい雰囲気にする必要があります。たとえば、幼い子どもに人気のキャラクターのおもちゃを用意したり、壁に絵を貼ったりすると良いでしょう。

また乳幼児の場合、おもちゃを口にくわえたりなめたりすることもあるため、誤飲しそうなサイズのおもちゃはNG。安全を第一に、子どもが喜ぶおもちゃを用意しましょう。

託児付きサロンに聞いてみました!

今回は、HotpepperBeautyの口コミ件数No.1の人気サロン「eye+(アイプラス)」グループで管理をされている方にお話を伺いました。

eye+(アイプラス)

  • 店舗数 :8店舗運営(託児付きが2店舗)
  • アイリスト :一日2~3人
  • 託児スタッフ :一日1~2人

託児付きサロンと、託児なしサロンの両方を運営されているそうです。どちらもあるからこそ分かるメリットやデメリット、運営のポイントを教えてもらいました。

Q:託児付きにするかどうかは、どのように決めているのですか?

子育て世帯が多い地域かどうか、です。以前は市街地でキッズスペース付きのサロンを営業していましたが、利用者が少なかったため、移転を機にキッズスペースをなくしました。エリアの需要と、既に何軒の託児付きサロンがあるのかを確認した上で、託児ありなしを決めることが大切ではないでしょうか。

Q:託児利用できる子どもの年齢は?託児時間は?

首が座った乳児から利用可能です。年齢に上限は設けておらず、小学生でも希望があればお預かりできるようにしていますよ。託児可能な時間は9~17時までに設定しています。

※系列サロン「Collet&eye+(コレット アンド アイプラス)」店内

Q託児付きサロンは託児なしのサロンと比べ、設備に違いはありますか?

マツエク施術での設備に違いはないです。内装もそれほど意識して変えているわけではありません。

※系列サロン「Collet&eye+(コレット アンド アイプラス)」店内

ただ、託児付きサロンでは子連れで来店される方が多いため、プレイマットやおもちゃを用意。施術中のママの横でも楽しく遊べるようにしています。

Q:託児ありとなしでは、売り上げに差がありますか?

メニューの料金設定は、各サロン同じにしています。ただ、託児付きサロンではお客様の対象が子育て世代のため、営業時間が他サロンより短くなっています。そのため売り上げは、託児なしのサロンの方が高い傾向です。

Q:託児付きであることのサロン側のメリットやデメリットは?

「ママだけどマツエクがしたい」と思う人が多いエリアなら、託児付きサロンのメリットが高いと思います。託児付きの方が、アイリストにとっても集中できるようですね。さらに、お子さんに「また行きたい!」と思ってもらえると、リピートに繋がることもあります。ママも、「託児付きのサロンはそうそうない」という感想も多く、他のサロンにはない最大の独自性とも言えますよね。

※系列サロン「Collet&eye+(コレット アンド アイプラス)」店内

ただ、構造によっては音漏れがデメリットとなることも。子どもがはしゃいでいる声やドタバタしている音は、ママなら気にならないかもしれませんが、ゆっくりと施術を受けたいお客様にとっては不快に感じられるかもしれません。

また利用者が少ないと、託児スタッフの人件費が負担になることもあります。そのため託児ありの場合には、「○日前までに要予約」「電話予約が必須」とすることで、託児スタッフの手が空くことが無いように工夫しています。曜日限定や、月のうちの何日かだけ託児スタッフを用意するというケースも考えられますね。

Q:託児付きにすることで、アイリストの手間が増えることは?

託児付きだからと、アイリストの手間が増えることはありません。しかし子連れのお客様に対しては、子どもを長く待たせないために、より早く施術を終わらせてあげたい気持ちになります。そのためアイリストの施術スピードが重要となってくるかもしれません。

Q:最後に、託児付きマツエクサロンを検討している方へメッセージを!

これまで自分の美容に手をかけていたのに、かける時間が減っているママがたくさんいます。また近くに頼れる親類がいない、子どもを託せる場所が少ないといった理由から、ママたちはなかなか子どもを預けることができません。そのようなお客様たちにとって、子どもを安心して預けられるサロンは、助かる・うれしい存在となることでしょう。

私たちのサロンは「ママをきれいにしたい!」というコンセプトを掲げています。これからさらに託児付きサロンが増えていくことを願っています。

まとめ

託児付きサロンを作るには、赤字にならないことが大切です。エリアリサーチを十分に行い、潜在的ニーズがどれくらいあるのか、他にどのくらい競合が存在するかしっかりと見極めましょう。そして何よりも、子どもを安心して預けられる環境作りが重要です。子どもが安全に遊べるキッズスペースを作り、託児を任せられるスタッフを配備するように心掛けてくださいね。191126Eoa

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