【まつげ・目の仕組み基礎知識】そもそも、目から涙が出るのはなぜ?サロンでの簡単な対処とおまけ雑学をチェック

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アイリストはお客様から見れば「目のプロ」と思われるケースも多いでしょう。涙にまつわるちょっとした雑学があれば、お客様との会話で使えるかもしれませんね。今回は、涙のメカニズムや、アイリストとしてお客様にお伝えしておきたいことなどをチェックしていきましょう。

涙はなぜ出る?アイリストが知っておくべき「施術中の涙の対処方法」

涙は、目を健康な状態に保つためになくてはならない存在。目は涙で覆われることで、乾燥や外界の刺激から目を守っています。 人間がまばたきをするのは、まつげで目に異物が侵入するのを防ぎ、涙で目の表面を覆って目を保護するためです。

また、パソコンやスマホなどの画面を長時間見つめると、目が乾燥しますよね?これは、まばたきの回数が減り、涙が目の表面に行き届かなくなっているから。この状態が続くと、ドライアイが引き起こされると言われています。
人間の体内には、血管で酸素や栄養が運ばれていますが、目の表面には血管がありません。そのため、涙が血管の代わりに酸素や栄養を運んでいます。ホコリや砂など、異物が入ったときは、自然と涙が出てきますよね。これは、涙で異物を目から流し出そうとするためです。

 施術中の涙の簡単な対処法

「涙は異物に反応する」という基本的なことを確認しましたね。同じ原理ですが、マツエクで使用するグルーに含まれる揮発成分が原因で、涙が出ることがあります。施術中に涙が流れてしまうと、マツエクがうまく接着できなかったり、白化現象が起きてしまったりすることもあります。以下のことに気をつけてみましょう。

事前に眼病の有無や体調を確認する

施術前に、眼病の有無や体調をカウンセリングし、目の状態が良くない場合は施術を中止することも選択肢に入れておいた方がいいでしょう。

涙が浮かんだら、コットンや綿棒で拭きとるようにする

施術中にお客様の目から涙が浮かぶようなときは、すぐにコットンや綿棒で涙を吸収するようにしましょう。普段から涙目のお客様の場合、マツエクのモチが悪くなることもあります。

目に違和感を持たれていないか、こまめにお声掛けする

施術中は、お客様が目に違和感を持たれていないかこまめにお声掛けをし、涙がにじんでいないかもチェックしてみてください。目に涙が浮かんだ場合でも、すぐに拭き取るなどの対処ができればマツエクの仕上がりへの影響もおさえられますよ。

おまけ雑学①「悲しいときに出る涙」

涙によるストレスコントロール

目を保護するために重要な役割を果たしている涙は、人間の感情とも大きく結びついています。悲しくて泣くことはネガティブに感じられるかもしれませんが、実は人間にとっては必要なことなのです。感情が高まったときに流れる涙のことを、情動の涙と呼びます。 人間は情動の涙を流すことで、ストレスをコントロールしているのです。

ストレス状態にあるとき、体は交感神経が優位な興奮状態になっています。涙を流すと副交感神経が優位になり、リラックスした状態になれるのだとか。涙と一緒に、ストレスホルモンも体外に排出することができます。泣くとすっきりできるのは、脳内から快感物質が放出されるためです。

涙には味の違いがある?

 ちなみに、悲しいときや悔しいときに流す涙の味と、嬉しいときや感動したときに流す涙の味が違うこともご存知でしょうか。

悲しさや悔しさを感じてストレス状態にあるときの涙は、腎臓の働きが抑制されるため体液中のナトリウム濃度が多くなり、塩辛い涙になります。嬉しいときの涙は、副交感神経の働きで腎臓がよく機能するため、あまり塩辛くなりません。

よく、泣かない人は強いと思われがちですが、泣いてストレスを発散できる人はストレス解消の方法を実践できるということ。 泣くこと自体を、悪いことだと思って否定する必要はないようです。

涙は自分でコントロールできるの?

それでも、人前で泣いてしまったり、泣きたくないのに涙が出てしまったり、という状況は避けたいもの。感情をうまくコントロールするには、リラックスして副交感神経を優位にさせることが大切です。

簡単にできる方法が、寝ること。 寝ている間は自然と副交感神経が優位になるため、眠くなくても、とりあえずベッドに入ってみるといいかもしれません。

人間の脳は、セロトニンによってバランスを整えられているため、太陽の光を浴びてセロトニンを活性化させるのもいいのだとか。特に効果的と言われている時間帯が、朝。セロトニンは朝に作られるため、寝室のカーテンを開けたり、朝ウォーキングをしたりすると効果があるそうです。

マツエクをしてすぐに涙を流すと、マツエクのモチが悪くなることもあります。泣くタイミングはいつ来るか分からな いため、施術後に泣いてしまったら、まつげや目を強くこすったりしないよう改めてお客様にはお伝えしておきたいですね。

おまけ雑学②「あくびの涙」

止められない身体の自然な反応

あくびをしたときに涙が流れるのは、顔の筋肉の動きと関係があります。大きな口を開けてあくびをすることで、顔の筋肉が収縮し、涙腺が刺激されることで涙が出るのです。

涙は、上まぶたの外側にある主涙腺という器官で作られ、まばたきによって目全体に行き渡ります。目に行き渡った涙のうち、10%ほどは蒸発してしまい、90%は目の内側にある涙点という穴に流れていくそうです。その後、涙小管、涙のう、鼻涙管を通って、鼻へと流れていきます。 顔の筋肉が動くことで涙のうが圧迫されて、押し出された涙があくびのときの涙の正体です。 涙のう内には少ししか涙がたまっていないため、何度もあくびをしていると涙は出なくなります。

実はまだ解明されていない?!「あくびのメカニズム」

そもそも、なぜあくびが出るのでしょうか。研究者の間でも見解の相違があり、いくつかの論説があるようです。

1:体を目覚めようとさせている

 眠たいときや、寝起きに出るあくびは、体を覚醒させようとしているから出るという説です。

2:酸欠状態になっているときにあくびが出る

血液中の酸素が少なくなると、あくびがでるのではないかと言われています。しっかりと睡眠がとれていないため、あくびが出てしまうこともあるのだとか。1つめの論とも近いですが、睡眠時無呼吸症候群など、無意識のうちに睡眠の質が低下していると、あくびが頻繁に出てしまうこともあります。あくびの回数が多すぎる場合、睡眠不足ではないかチェックし、不安な場合は専門医に相談してもいいでしょう。

3:自律神経のバランスとも深く関係!ストレスがあるとあくびが出る?

施術中、緊張していてあくびが出てしまうというお客様もいらっしゃるかもしれません。あくびの涙でマツエクの仕上がりに影響が出ないよう、お客様が常にリラックスした状態でいられるよう細心の注意を払いたいものですね。施術後もまつげを美しく保つために、汗や涙にまつげが触れたときの対処法をお伝えしておくといいかもしれません。

まとめ

お客様の目やまつげに日々触れるアイリストは、目の作りや涙の仕組みについても知識を深めておきたいものです。涙のメカニズムを知れば、「涙が出ちゃって」「花粉症で」といった小さな会話をきっかけに、「悲し涙と嬉し涙は味が違うらしいですよ!」「実はあくびの涙っていろんな説があるらしいですね〜」と話題を広げられるかも。豊富な話の引き出しで、お客様がリラックスできるアイリストでいたいですね。200430EZt

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