タイミングが最重要!「2号店立ち上げ」を成功させるために必要な「大切にすべきこと」を調査しました

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1号店の運営が軌道に乗ったら、2号店出店を検討するサロンオーナーも多いですよね。Beautéでは過去にアイリストの独立開業や、出店時の立地戦略などをみなさまにご紹介してきましたが、今回は2号店の出店についてお伝えします。実際に多店舗運営を行なうオーナーから話を伺い、2号店立ち上げを成功させるために考えるべきこと、大切にすべきことを調査しました。早速、見ていきましょう。

考えたことはありますか?「2号店出店」

開店したサロンの業績は好調。さらに多くのお客様と出会いたい、と考えたら2号店出店を検討するサロンも多いことでしょう。2号店出店=多店舗展開には、メリットがあります。

売上の上限を伸ばせる
スタッフのキャリアパスが形成できる
サロンの業界認知度が向上する

まずは、このメリットをひとつずつ考えていきましょう。

他店舗展開のメリットとは

①売上の上限を伸ばせる

サロン1店舗あたりの売上には、当然限界があります。そのため、単独サロンよりも複数サロンを運営した方が売上の上限はそれに応じて高くなるでしょう。ただし、これはどちらのサロンも経営に成功した場合を想定したときだけ。上限を伸ばせる代わりに、各サロンの正確な売上・コスト管理が必要となることを、必ず忘れてはなりません。

②スタッフのキャリアパスが形成できる

「店長はすでに任命済みだけど、このスタッフもかなり店長向きの業績・正確を持っている…」「店長よりも上の管理を、このスタッフに任せたい」。こんな悩みを持つ経営者も、中には多いことでしょう。運営するサロンがひとつだと、売上と同じようにスタッフのキャリアパスにも限界が訪れます。複数店舗を運営すると、
例:スタッフ→リーダー→店長→エリアマネージャー

例を挙げると、このようにキャリアパスを設定できるのです。
「自分が何を目指すべきポジションなのか」。これが分からないよりも、次のキャリアが明確に見えた方がスタッフ一人ひとりのモチベーションに繋がります。また、人間関係がうまくいかない場合や配置転換によって後輩育成を進めてほしい場合など、人事異動での新しい仕事へのチャレンジも設定できるのも良い点です。

③サロンの業界認知度が向上する

同じサロン名・サロンブランドで多店舗展開をすれば、その分地域で目立つこととなり、お客様との接点が増えます。みなさんも「聞き馴染みのあるお店の名前」には安心感を覚えることもあるのではないでしょうか。
お客様と多く接するからこそ、信頼を得ることができやがてブランドイメージを高めることになる。これも、多店舗運営の持つメリットです。

以上がメリットの一例となります。もちろん、「描いていたビジネスビジョンを実現できる」「想いの詰まったサロンを増やせる」という、経営者の夢を叶えるというのも2号店出店の大きなメリット。

反対に、2号店だからこそのデメリットもあります。

経費が増加する
経営管理が複雑になる
人材不足が起こる

こちらもひとつずつ見ていきましょう。

他店舗展開のデメリットとは

①経費が増加する

もちろん単独サロンと異なり、出店サロン分だけ、家賃・人件費・電気代などの、サロンにかかる経費が増加します。収益がその分上がれば問題ありませんが、売上不振に陥ったときは経費が経営を圧迫することも。多店舗運営の持つ経費のリスクは、第一に考えておかなければなりません。

②経営管理が複雑になる

運営上の仕入れ発注や金銭管理・売上集計など、多店舗を運営するとサロンの数だけ業務のタスクは増えます。経営管理の面だけでなく、従業員満足度の把握も多店舗運営では難しくなるでしょう。
本店と2号店の遠隔マネジメントも必要となるため、1号店を運営しながらより専門的な知識と戦略を求められる点は、多店舗運営のデメリット。従って、正確に経営管理できる体制が必要です。

③人材不足が起こる

サロンが増えたら、単純にアイリストの人数は増やさなければなりません。新しいサロンとなる2号店店長やリーダーなど、多店舗運営では重要な人材も不足しがちです。
1号店と2号店兼任店長を立てればこの問題は解消されると思いがちですが、一般的にたった一人で複数店舗の運営管理をすることは、難しいとされています。

いかがでしょうか。このようなメリット・デメリットを考えて、かつメリットが強いと思えば2号店の出店を検討します。
この「2号店出店のタイミング」が、今回の記事でみなさまにお伝えしたいことです。今ご紹介したメリット・デメリットを踏まえつつ、「最適な出店のタイミングはいつなのか?」を考えていきましょう。

「2号店出店」ってどんなときに行うの?

1号店経営を続けながら、2号店を出店。そのタイミングは、どのようなシチュエーションが想像できるでしょうか。

1号店が繁盛していて、経営にも余裕があるとき
ちょうど理想的な物件を紹介されたとき

など、さまざまなタイミングが考えられますが、実はいずれも“ベストなタイミング”ではありません。
「1号店が顧客で一杯になり手狭になった…」、これももちろんタイミングの一つではありますが、先ほどご紹介したように、2号店にはメリットもあれば、リスクとなるデメリットもたくさんあります。
2号店で失敗しないために、タイミングの見極めは重要。ベストなタイミングとは、

人が育っているとき

に集約されます。これを詳しく掘り下げるべく、複数店舗を運営するサロンオーナーに話を伺ってきました。

複数店舗展開をした経営者に聞く!「2号店」立ち上げのタイミングとは?

ベストなタイミングは人が育っているとき

「1号店がうまく行っているから、経営を拡大させたい」「売上をもっと増やしたい」。この想いのもと、2号店立ち上げを行うオーナーも多いことでしょう。実際にこのタイミングで2号店をオープンさせるサロンも多いです。
しかし、実は「ビジネスありき」で多店舗運営を始めたときこそ、運営失敗の原因になります。まず優先すべきは「サロンスタッフありき」で動かなければならないのです。

「人が育っているとき」の指す“人”とは、“サロンの2番手”。特に、サロンの中で店長に次ぐ人材に「店長のポストを渡したい」と思ったときこそが、2号店立ち上げのタイミングと実際の経営者は言います。
今一度、多店舗運営のデメリットに立ち戻ってみましょう。

経営管理が複雑になる
人材不足が起こる

この項目のうち、人材不足が起こるでも説明したとおり、多店舗運営を行うと「店長のポストは誰が行うのか」「スタッフの新リーダーが必要になる」など、人員配置を考える必要が出てきます。
当然、新規スタッフを採用しなければなりませんが、中途採用の新しい店長を採用するより、1号店の勝手を良く知る1号店スタッフを店長とした方が、運営リスクは軽減されるのです。
経営管理が複雑になるのデメリットを見てみましょう。すべての場合がこうなるわけではありませんが、多店舗運営により経営管理が複雑になっても、信頼を長年築いてきたスタッフが店長となれば、正確に経営管理できる体制が整いやすいです。
このように「人が育っているとき」は、2号店に対するリスクが少ない状態で出店できるタイミングです。

また、誤解しがちですが、この場合の「育っている」の概念は、施術能力や売上ではありません。
「名プレーヤー、名将にあらず」という言葉が物語るように、プレーヤーとして優れているかどうかよりも、マネジメントに向いた人材であることを見定める必要があります。
技術力や売上は高い人でも、人を育てたり教える技術が低い人が店長では、2号店は苦戦を強いられることになると思っておきましょう。

2号店立ち上げの壁「企業理念・サロンコンセプトの浸透」も乗り越えられる

また、2号店を「1号店と同じブランドイメージで保ちたい」というときも、新しく採用した店長を立てるより、1号店メンバーを店長として任命した方が効率的ですよね。

Beautéでは過去に企業理念やサロンコンセプトの違い、どうやってこれをサロン全体に伝えるか、をみなさまにご紹介しました。

「サロンコンセプト」とは、サロンブランドイメージを決定づけてお客様に伝える、大切なツールでありメッセージ。その土台となるのは、「企業理念」です。これらを2号店でも浸透させつつ、多店舗運営をしたいと思うオーナーは多いことでしょう。
しかし、「1号店はうまく行ったのに、2号店には細かいニュアンスが伝わらない」「気付けば、全く違う方向を向いて運営していた」といった事態も多々起こります。この原因は「伝え方」にも多いにありますが、「そもそも2号店のトップが1号店をよく理解しきれていない」のもひとつ。

もちろん、2号店は独自のサロンコンセプトで経営を行い、違うサロンの雰囲気・トーンを目指すのであれば、これもアリです。1号店と2号店の立地条件の違いから、そのような運営が好ましい場合もあるでしょう。

そうではないケースでは、2号店店長には詳しく1号店のことを知ってもらうため、その人材育成に相当な研修時間と労力・経費が必要となります。
その必要がない・必要最低限で抑えられるのが、1号店から引き抜かれた店長が、2号店で活躍することなのです。

オーナーは2号店店長との意見のすり合わせをしっかりと

また、実際の多店舗運営を行なうオーナーは、「2号店現場に出向くことはもちろん、2号店店長との話し合いと意見のすり合わせに時間を割く」とおっしゃっていました。
どんなに信頼を置くスタッフでも、やはり「意見や認識の確認」はしっかりとしなければ、1号店・2号店どちらも円滑な運営は望めません。出店のタイミングだけでなく、出店してからも定期的なオーナー店長会議は必須。
すると、次第に細かなニュアンスが二人の中で固まっていき、よっぽど大きな決断以外は任せられるようになると言います。

まとめ

いかがでしょうか。「1号店の運営が軌道に乗ったから」「十分な収益やプールがあるから2号店を出してみよう」。これももちろん間違ったことではないのですが、一度考えていただきたいのが、「2号店出店前に、2号店のトップとなる人材が育っているかどうか」。今回は、多店舗運営を実際に行うオーナーから、リアルな意見をいただきました。2号店出店を検討している、いずれは多店舗運営を考えているサロンオーナーは、ぜひ参考にしてくださいね。190101E3s

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