マツエク装着時の「エアポンプ」の風が苦手なお客様。お声かけと正しい風のあて方とは

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エアポンプやエアーコンプレッサーを使用して、グルーによる揮発成分を飛ばすことは、マツエク施術において欠かすことのできない必須手順のひとつ。しかし、お客様の中には、エアポンプやエアーコンプレッサーのブロアを不快に感じたり、苦手意識を持っていたりする場合も少なくありません。お客様にはできるだけ快適に施術を受けていただきたいものですよね。では、そのようなお客様には、具体的にどのような対策を取ることができるでしょうか。今回はエアポンプが苦手なお客様への施術に焦点をあてて、詳しく検証していきましょう。

おさらい!ブロアを当てる目的とは?

画像元:松風

マツエクの施術には、ツイザーやグルー、保護テープなど必要なツールがいくつかありますが、エアポンプやエアーコンプレッサーも施術には欠かせない重要なツールのひとつです。まずは、本題に入る前に、エアポンプやエアーコンプレッサーの持つ役割について、今一度確認しておきましょう。

エアポンプやエアーコンプレッサーが果たす役割は、3つあります。

①前処理やクレンジング後の水分を飛ばす

マツエク施術の前に、目元に蓄積している油分や汚れを落とすため、前処理は必須です。また、メイクをされている場合は前処理に入る前に、クレンジングを使用することもあるでしょう。しかし、まつげが十分に乾燥しきっていない状態のままで、エクステを装着してしまうとどうでしょうか。グルーがうまく付着しなかったり、水分に反応してしまい、白化現象を起こしてしまったりする可能性も否めません。そのため、エアポンプでしっかり水分を飛ばしてあげることが大切です。

②グルーの硬化促進

マツエクの装着時に、隣同士のエクステがくっついてしまったという経験があるアイリストも少なくないのではないでしょうか。その原因は掻き分けの甘さの場合もありますが、グルーがしっかり硬化しきっていないケースも。そこで硬化を促進させるため、使用するのがエアポンプやエアーコンプレッサーです。エクステを1本装着するごと、5本や10本装着するごとなど、ブロアをあてるタイミングはサロンやアイリストによっても異なりますが、グルーの硬化を促進することで、施術の効率化にもつながります

③グルーの匂いや揮発成分を飛ばす

グルーが硬化する際には、ホルムアルデヒドをはじめとする揮発成分が発生します。これはアレルギーを引き起こす一因ともなる成分。揮発成分はそのままにしておくと顔まわりに停滞することがあり、お客様が鼻や口から吸引すると頭痛や目のかゆみなどの症状を引き起こしてしまうことも。そのため、施術中や施術後にブロアを送ることで、そのリスクを回避することができます。また、匂いに敏感なお客様の場合、グルーの匂いを苦手とされている方もいらっしゃるかもしれません。その場合においても、エアポンプは有効です。

ブロアの正しいあて方

上述したように、エアポンプやエアーコンプレッサーが果たす役割はとても重要なものです。お客様がブロアを不快に感じているからといってこの工程を省略してしまうと、美しい仕上がりとならなかったり、トラブルを招いてしまったりすることもあるでしょう。
では、お客様の不快感を減らすために、アイリストとしてどのようなことができるでしょうか。

ブロアのあて方は正しくできている?

画像元:松風

お客様がブロアを不快に感じている場合、ブロアを正しくあてられていないのかもしれません。まずは正しい使用法をマスターすることがマスト。たとえば、次のようなことに心当たりはないでしょうか。

エアポンプやエアーコンプレッサーの先端がお客様の目元に触れていませんか?

お客様の顔の下側からブロアをあてていませんか?

ブロアの強度は強すぎませんか?

ブロアは、お客様の目にあたらないよう、おでこから目の方向に向かって使用するのが正しい使い方です。ブロアをあてる位置や距離は正しいか、今一度意識してみるようにしましょう。
また、ブロアが強すぎるものよくありません。お客様が不快に感じられるのはもちろんのこと、せっかくきれいに装着したエクステの向きが風圧によって変わってしまうこともあるかもしれません。ブロアの強度についても再度チェックしてみましょう。

エアポンプとエアーコンプレッサーを使い分ける

エアポンプとエアーコンプレッサーは、それぞれ特徴が異なります。サロンによっては、エアポンプとエアーコンプレッサーのどちらか一つしか置いていないというところもあるかもしれませんが、両方導入しているのであれば、お客様によって使い分けるのも方法です。

エアポンプ

メリット:・ポンプの押し方によってブロアの強度が変えられるため調整しやすい
     ・エアーコンプレッサーと比較すると音が静か   
デメリット:・長時間ブロアをあてたい場合、何度もプッシュしなければならない
      ・使用する際、都度ツイザーと持ち替えなければならない

エアーコンプレッサー

メリット:・フットボタンでオンオフができ、ブロアを途切れさせずにあてることが可能
     ・指にはめるタイプもあり、ツイザーを手に持ったままブロアを出せる
デメリット:・機械音がうるさく感じる場合もある

エアポンプとエアーコンプレッサーはそれぞれメリデメが異なるため、お客様の要望や用途によって使い分けるのもおすすめです。
これらを踏まえて、お客様のタイプごとに適した対策法を検証してみましょう。

ブロアがあたる瞬間が苦手で反射反応を起こしてしまうお客様

この場合は、ブロアを途切れさせずにあてられるエアーコンプレッサーの方がよいでしょう。エアポンプだとしっかり乾かしたいときに、何プッシュもしなければならず、不快感が増す可能性があります。

音に敏感なお客様

エアーコンプレッサーは機械内でブロアを作り出すため、ブーンといった機械音がどうしても出てしまいます。音が敏感なお客様であれば、エアポンプの方が適しているでしょう。

グルーの匂いが苦手な方や、息苦しさを感じるようなお客様

このケースでは、エアポンプの方がよいかもしれません。エアポンプを使用する際はツイザーといったん持ち替えることから、もう片方の手を鼻に添えられ、ブロアや揮発成分を吸引するリスクを軽減できるからです。しかし、なかにはエアーコンプレッサーの取り扱いしかないサロンもありますよね。その場合は、お客様にマスクの着用をしてもらえれば、対策法となり得るでしょう。

ブロアの強さが気になるお客様

ブロアの強さが気になる場合は、通常よりも距離を離して使用することが大切。その分、グルーの硬化を促進するパワーはダウンしてしまうため、少し長めにあてるようにしましょう。

お客様がエアポンプやエアーコンプレッサーに不快を感じていても、具体的にどの点が苦手なのかは異なるもの。その要因をヒアリングできれば、対策を講じることができ、不快感の軽減につなげることができるかもしれませんね。

お声掛けも大切!

ブロアのあて方や、エアポンプとエアーコンプレッサーの使い分けも大切ですが、それらに加えてお客様へのお声掛けにも意識を向けたいところ。ブロアをあてることに苦手意識を持っている方はもちろんのこと、そうでない場合でもマツエクの工程を知らない施術が初めての方であれば、いきなり目元にブロアがあたるとびっくりしてしまうかもしれません。
そのため、ブロアについて事前説明を行うことが大切です。

ブロアを使用することの必要性
どのタイミングでブロアをあてるのか

この2点は、しっかりお伝えするようにしましょう。また、口頭で説明してもイメージしづらい場合もあるかもしれません。お客様の手の甲などに、実際にエアポンプやエアーコンプレッサーを用いてブロアをあててみるのも方法のひとつ。ブロアがどの程度の強さなのか、どんな感じなのかがイメージしやすくなり、お客様の不安要素の軽減にもつなげられるかもしれません。

最後に、ハンディタイプの電動ブロアをご紹介しましょう。これまでは、エアポンプとエアーコンプレッサーの2種類が主流でしたが、近頃はコンパクトサイズのハンディタイプも販売されています。スペース確保の関係でエアポンプしか使用できなかったサロンでも、ハンディタイプなら収納場所や設置場所を確保することができるでしょう。

ラッシュファン(ブラック)

出典:EYELASH GARAGE

充電式ハンディタイプの電動ブロアです。スイッチを入れるだけで簡単にブロアがあてられるため、使い勝手がよいのが魅力。また、USB充電式なので、持ち運びにも便利なほか、コードが邪魔になる心配もありません。

まとめ

マツエク施術において欠かせないエアポンプやエアーコンプレッサーですが、お客様の中にはブロアがあたることを不快に感じていたり、気になるものの言い出せずにいたりするお客様もいることでしょう。また、ブロアとへの苦手意識から施術への足が遠のいてしまうお客様もいらっしゃるかもしれません。そのような事態はアイリストとして避けたいものですよね。施術テクニックだけでなく、お客様が快適に施術を受けられるように努めることもプロのアイリストとして欠かせない要素。まずはブロアをあてることの大切さや必要性を、お客様にもしっかり理解していただくことが大切です。そして不快に感じていらっしゃらないか、適宜ヒアリングを行ってみるようにしましょう。190812Emm

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