「終わらない!」施術が押した…その時の対処、きちんとできていますか?

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「施術終了予定時間を過ぎてしまった!」といった経験は、アイリストであれば一度はあるのではないでしょうか。時間が押してしまう理由は様々なのですが、大切なのはその時々に応じた対処ができているかどうか。今回は、なぜ時間が押してしまうのか、どう対処すべきなのかについてご紹介します。

施術時間がオーバーしてしまう理由

「施術時間内に終わらなかった…!」という経験はありませんか?そもそも、なぜ施術時間をオーバーしてしまうのでしょうか。その理由をお客様側とアイリスト側、2つの観点から探っていきましょう。

お客様側の理由

まずはお客様側の理由として考えられることから見ていきましょう。

①遅刻

最大の理由は、お客様の遅刻。「電車が遅延した」「仕事が長引いた」など、様々な遅刻の理由があるため、やむを得ない場合もあるでしょう。だからと言って、次のお客様をお待たせしてしまうことはNG。やむを得ないにしろ、お客様に「施術時間予定時間より遅れていますので、希望本数まで装着できない可能性があります。」とお伝えし、了承をしていただきましょう。

②メイクを落とす時間

メイクを落としてきてもらえるかどうかも、施術時間に影響します。リペアなどで何度も来店されているお客様であればあまり問題はありませんが、新規のお客様の場合は注意が必要です。事前に「メイクを落とした状態でご来店されるか、サロンでメイクを落とすのであれば〇分前までにはご来店ください。」とアナウンスをしましょう。
しかし、お客様はメイクを落としたつもりでも、マスカラやアイライナーが残っていることも。残ったメイクは完全に落としてからでないと、マツエクを装着できませんよね。それに伴い、施術時間が短くなることも考えられます。次回以降同じことにならないためにも「マスカラが落とし切れていないのですが、どんなマスカラを使用されていますか?」などとヒアリングをし、落としやすいアイテムを勧めましょう。

③施術中お客様が動く

お客様の中には施術中にお話しをしているとき、身振り手振りが大きくなる人もいます。すると顔や体が動くため、エクステがつけにくくなり施術時間が伸びるケースも。楽しくリラックスした状態で施術を受けられている証拠ですが、施術がしにくくなるため、やんわり注意するとよいでしょう。

アイリスト側の理由

次にアイリスト側の理由を見ていきましょう。

①技術力不足

施術時間が押してしまうということは、まだまだ磨かなくてはならないところがあるということ。経験を多く積んだベテランアイリストに比べ、経験が浅い初心者アイリストは技術力が不足しがちです。例えば、自まつげのクセが強いお客様だったり、産毛が密集して生えているとかき分けがしにくかったりするため、施術にも時間がかかってしまいます。
そのほかにも、テープワークが苦手、装着するまつげをイチから探しがち、ワゴンのアイテムの準備不足などが原因で施術の時間を押してしまうことも。ひとつひとつはわずかな時間ですが、積み重なると大きなタイムロスに。苦手や準備不足をなくしていくことで時間と心にゆとりができ、ワンランク上の施術が目指せます。

▽技術力向上のための記事はこちらをチェック

②グルーの扱い方

グルーの扱いには、適した環境設定が必要だということはご存知ですよね。室温は夏場25℃前後、冬場20℃前後が好ましく、湿度は夏場55~65%程度、冬場50~60%程度が目安となっています。「いつもと同じ空調の設定だから大丈夫だろう」と思って施術を始めている人は、要注意!その日の天気によってグルーの粘度に変化があることも考えられるのです。特にサロンの室温や湿度が高いとグルーの粘度が上昇します。すると硬化速度が遅くなってしまい、大幅なタイムロスが考えられます。
また、初めて使用するグルーやめったに使用しないグルーの場合、硬化速度を把握しきれていないこともありますよね。グルーごとの特性を熟知しておかないとやり直しになったり、硬化に時間がかかったりと、タイムロスに繋がるのです。

▽グルーに関する記事はこちらをチェック

「予約時間」と「施術時間」の設定を確認

お客様が認識している「施術時間」と、アイリストが認識している「施術時間」に相違はありませんか?何度もご来店されているお客様であればあまり相違はないかもしれませんが、新規のお客様の場合は注意しましょう。最近は電話予約よりもネット予約の方がメイン。その際、選択したメニューごとに施術の開始時間と終了時間が表示されます。お客様はこのとき表示された時間を目安に考えていることがほとんどです。

施術は時間内に終わるかもしれませんが、アフターカウンセリングやお会計、次回予約などを含めると、予定時間よりもオーバーしてしまうことも考えられます。せっかくよい施術をしても、終わりがバタバタしてしまうとあまりよい印象が残りませんよね。

また、アフターカウンセリングでお伝えしたいことがあっても、時間がないとできません。アイリストは施術の時間だけでなく、カウンセリングから次回予約までの時間が含まれているかどうか見直しましょう。

▽予約管理方法についての記事はこちらをチェック

きちんと終了予定時刻を確認しよう

お客様とアイリストとの間にある、時間の認識の相違をなくすためには終了予定時刻を確認しているかどうかが大切。カウンセリング時に「本日はリペアで承っておりますので、1時間半程度お時間をいただきます。〇時頃終了予定となっておりますが、お時間は大丈夫ですか?」などと確認をしましょう。
中には「この後予定が入っちゃったから、1時間にできない?」などと要望されるお客様もいます。時間変更があらかじめ分かっていれば対処もしやすくなりますよね。しかし、お客様の都合を把握していないと、バタバタしてしまうことも考えらえます。場合によっては希望本数まで装着できないことも。そうならないためにも、必ず事前に終了予定時刻を確認しておきましょう。

スタッフが多い店は要注意!

スタッフの人数が多い中規模~大規模サロンの場合、アイリストのスキルによって設定時間が変わってくるため注意しましょう!特に指名アイリストが休みだったり、指名なしだったりすると、同じメニューでも終了時間が変わってくることも。お客様は「いつもと同じだから1時間で済むはず」と思ってご来店されても、実際は30分オーバーすることも考えらえます。もし、いつもと違うアイリストが対応する場合は、ご来店前にアイリストが違うから終了時間が変わるという旨をお伝えしましょう。

お客様へのご対応方法とは

ここからは、お客様へのご対応方法について一緒に学びましょう!

お客様側の理由

様々な理由で遅刻されるケースが見受けられます。あらかじめ「理由に関わらず、〇分以上の遅刻される場合は希望本数通りの施術ができない場合がございます」などと予約時にお伝えしておくこと。または明記したルールブックをお渡しするなどするとよいですね。
しかし、いくらルールブックで事前に説明しているからといって、遅刻されるお客様に対して何も言わないのはNG。遅刻するという連絡を受けた時点で「申し訳ありませんが、〇分以上遅刻されると希望通りの施術ができない可能性がございますので、ご了承くださいませ。」とお伝えし、了承してもらいましょう。
また、お客様都合で遅刻された場合でも、精一杯の施術をすることが大切です。「お客様都合で遅刻してきたのだから、希望通りの施術ができなくても当然」といった態度では、不信感を抱かれてしまいます。

遅刻をさせない 

遅刻には様々な理由がありますが、中には「ただ単に忘れていた」「寝坊した」など防げそうなものもあります。サロン側ができる遅刻をさせないための方法について考えてみましょう。

①施術確認の連絡をする

新規のお客様はもちろん、リピーターのお客様であっても施術数日前に「〇月〇日〇時よりご来店予定となっております。」といった内容の確認メールを送りましょう。また、その内容の中に「遅刻されるとご希望通りの施術ができない可能性があるため、ご注意ください」といった注意事項を入れるとよいですね。それだけでうっかり忘れていたという事態を防ぐことができます。また、レセプションがいるサロンであれば、確認の電話を入れるのも有効な手段です。

②規約を作る

先ほども述べたように、ルールブックをお渡しし、規約を確認していただくのもよいでしょう。例えば「〇分以上の遅刻をされると、ご希望通りの施術ができない場合があります」「遅刻などによるお客様都合のキャンセルの場合、キャンセル料をいただきます」「遅刻が続く場合、今後の予約をお断りする場合がございます」など。サロンによって方針が異なると思いますが、遅刻させないために少々厳しい規約を作るのもアリでしょう。
マツエクサロンは予約仕事です。お客様の「少しくらい遅れても平気だよね」が続いてしまうと、次の予約をされているお客様へご迷惑をお掛けすることになります。また、アイリストもお客様も満足いく仕上がりにならないことも考えられるため、結果としてどちらにもプラスになりません。

遅刻させないことは、お客様にもサロンにもプラスに繋がります。遅刻はお客様側の責任ですが、サロン側も上記のような対策を講じることが必要ですね。

アイリスト側の理由

①技術力や対応力不足

先ほどもお伝えしたように、アイリスト側の理由として技術力や対応力不足が主な原因と考えられます。デビュー前に、どれだけ経験値を積めるかが大切です。もちろん、「すでにデビューしているのだけど…」という方もいるでしょう。大丈夫!技術力はまだまだ磨けます。Beautēでは様々な技術力向上のための情報を公開しているので、参考にしてみてくださいね。

▽技術力についての記事はこちらをチェック

しかし、技術力は一朝一夕で身に付くものではありません。アイリスト側の技術力不足が原因で時間が押したのであれば、誠意ある対応が大切です。お客様になぜこのようなことになったのか、あとどれくらい時間がかかるのかといった状況を説明しましょう。何もお伝えせず、バタバタしているとお客様に不快な思いをさせる可能性もあります。

②提案力不足

次は提案力について。施術で時間を取られることはもちろんですが、意外とカウンセリングで時間を取られることもあるのです。例えば、どんなデザインにしたいのかイメージがないお客様の場合。アイリストの提案力がないと一緒に悩んでしまい、時間だけがどんどん過ぎてしまいます。結果として妥協したデザインになり、お客様に満足していただけないことも考えられますね。そうならないためにも、日頃から提案力を向上させるための情報収集を怠らないようにしましょう。

▽提案力についての記事はこちらをチェック

③チームワーク

最後にお伝えしたいのが、チームワークについて。「技術力や提案力は個人的なものだから関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、周りのスタッフがフォローすることも大切。時間が押しているスタッフを見かけた場合、お会計を交代したり、次のお客様のご案内をしておいたりすることもできますよね。最初から最後まで担当アイリストがつくのがベストですが、それ以前にお客様にご迷惑をお掛けしないことの方が重要。周りのスタッフも状況を把握して、チームワークで乗り切りましょう。

まとめ

そもそも時間が押さないことが大切ですが、やむを得ない場合もあるでしょう。そのような場合に、慌てないためにもどう対処すべきなのか、日頃から考えておくことが大切ですね。また、技術力や提案力を向上させると時間が押すことも少なくなります。反復練習や情報収集を怠らず、どんな状況にも対応できるようにしておきましょう。

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