【神業テクニックシリーズ】『グルーの接着幅』と『根元の間隔』

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アイリストとしてスキルアップを目指すみなさん、「もっと上手くなるには何から始めたらいいんだろう?」「効率的な練習方法はないかな?」と悩んではいませんか?今回は、そんなときにぜひ見直して欲しい基本テクニックについて解説します。どれも、普段の施術にすぐ活かせるものばかり。早速、見てみましょう!

「接着幅の確保」に必要なコツ・ポイントは?

まずは、マツエク技術の基本中の基本である「接着幅の確保」について解説します。

マツエクのモチを良くするためには、エクステをしっかりと自まつげに接着することが必須条件。ただ、これを完璧にマスターすることはそれほど簡単なことではありません。新人であっても練習を重ねてコツを掴めばしっかりと接着できるようになる人もいれば、ベテランであってもまだその感覚が上手く掴めずに悩むアイリストもいます。
Beautéではこちらの記事の中でも、接着面を最大限確保するためのテクニックについてご紹介しました。

接着面が小さくなってしまう原因をまとめると、次の3点が考えられます。

自まつげとエクステの向きが合っていない

自まつげには1本1本向きがあり、エクステはそれにしっかりと沿わせて装着しなくてはなりません。向きが正しく見極められていなければ、根元が浮いたり、エクステと自まつげとの間に空洞ができてしまうことも。向きを揃えるためにはこちらの記事でご紹介した練習方法もおすすめです。ぜひ実践してみてくださいね。

カールの強さに応じた装着ができていない

カールが強ければ強いほど、接着面を広く取ることは難しくなります。特に下向きまつげの方であれば、さらに接着面は取りづらくなってしまうでしょう。まつげパーマやリフトアップ技術によって自まつげを上向きにする方法もありますが、料金や時間がプラスでかかってしまうことに。アイリストとしては自分のスキルを高めることでカールの違いをカバーできるよう、目指していきたいですよね。
Beautéでは読者の方からのリクエストにお応えして、強めのカールの装着方法を2編にわたってご紹介しました。

理想的な装着幅は、カールの強さによって多少違いはあっても3~5mmを目安として考えるといいでしょう。このことについては、後ほど写真を見ながら解説しますね。

装着方法(下付けや絡め付けなど)が使い分けられていない

自まつげの向きや使用するカールの強さによって、接着面を広く取れる装着方法は異なります。状況に応じて下付きや上付き、絡め付きを上手く使い分けることも必要になってくるでしょう。

ただし、これらの方法は接着面だけでなく仕上がりの印象にも影響します。場合によっては、接着面の確保よりもお客様の求めるイメージの方を優先しなくてはならないかもしれません。こちらの記事も参考にしつつ、ぜひお客様に納得いただけるご提案、装着をしていくようにしましょう。

装着の際の「根本の間隔」をチェック!

次は、装着幅同様に基本テクニックとして考えられている「自まつげの生え際からの距離」について考えてみましょう。

これはサロンによって、どのくらいの距離に設定するのかはさまざま。もしかすると明確にルール化していないサロンもあるかもしれませんね。

仮に、自まつげの生え際からエクステの根元までの距離を近づけて装着しとしましょう。
この方が、見た目の違和感は出にくく、まるで自まつげのような自然な仕上がりになれるかもしれません。実際に、海外では生え際ギリギリに装着する手法が主流のようです。
ただし、これは生え際が見えやすく、まぶたが薄い外国人だからこそ向いているのであって、日本人に多いとされるまぶたが厚い(一重や奥二重など)方にとってはかなりリスクの高い方法。エクステの根元がまぶたにあたってチクチクとしたり、敏感肌の方の中には稀にアレルギーのような症状が起こることもあります。また、違和感によって無意識に触ってしまうことも増えるため、モチも悪くなるかもしれませんね。根元にアイメイクなどの汚れも溜まりやすくなるため、眼病を引き起こす可能性も高いです。

それでは、エクステの根元を自まつげの生え際から遠ざけた場合はどうでしょうか?
まぶたにエクステの根元があたることはまずないため、チクチクすることはないでしょう。また、施術中にグルーの刺激を受けやすい方の場合は、目元の皮膚や眼球から少しでも離れていた方が安心です。ただ、生え際がしっかりと見えやすい方、はっきりとした二重の方にとっては、「マツエクをつけている」感が強くなりすぎることも。また、マツエクが伸びてきたときに目立ちやすいというのもデメリットのひとつです。さらに、装着前のエクステの長さと仕上がりの長さにズレが生じやすいため、お客様との認識合わせにも苦労するかもしれません。

以上のことを踏まえると、Beautéが考える最良の方法は「自まつげの生え際からエクステの根元までの距離は1mm程度にする」ということ。ただし、これもお客様の目元の特徴やご要望に沿って、臨機応変に微調整することが必要です。

そのため初来店のお客様は、カウンセリングの際に目元の特徴やアレルギーの有無、どんな仕上がりにしたいのかを確認したうえで、どのくらいの距離にするのかを決めるようにすると安心。特に、グルーの刺激を受けやすい方の場合は、健康面に関わるため慎重に考えてあげなくてはなりません。お客様に理由を説明したうえで、1.5mm程度離すようにすると安全ですね。

写真で要点おさらい!明日から真似できるテクニック

ここからは、実際に写真を使ってポイントを解説していきましょう。みなさんもぜひ今回ご紹介した写真のように自分の施術を撮影しながら、比較してみてくださいね!

カールの違い別「接着幅の確保」テクニック

こちらの写真は、「突撃インタビュー!「モチに定評のあるアイリスト」ってどうやって装着しているの?コツを伝授♪」の中でもご紹介したもの。カールの強さ別の接着幅の違いが一目瞭然ですね。

接着幅の目安は、次の表のようになります。

Jカール

約4~4.5mm

Cカール

約3~3.5mm

SCカール

約2.5~3mm

ただし、正しい接着幅を理解するだけでは不十分。常に安定して接着幅を確保できるように、エクステがしっかりと自まつげに沿わせられるようになることも大切です。

根元や中間、毛先が浮いてしまうというアイリストは、「読者リクエスト記事★【技術力UPシリーズ】「強めのカールの接着面確保」詳細編&練習方法」の中でもご紹介した「装着位置に合わせてから、上下にスライドする方法」を実践してみましょう。

装着手順は、

①装着したい位置にエクステを置く
②そのまま上にスライドさせる
③最初の位置までなぞるように、下にスライドさせる

というもの。この方法のいいところは、最終的な装着ポジションを把握しやすくなることにあります。自まつげをなぞることで根元から毛先までずれることも少なくなりそうですね。

練習の際には、こちらの画像も使ってチェックしてみましょう。

右側の①が、正解例。根元から毛先まで浮きがなく、しっかりと装着できていることが分かります。➁のような毛先が浮いてしまったケースや、③のような根元浮きが起こっているケースは、接着幅が短くモチが悪くなってしまうでしょう。①のような装着が安定してできるように、反復練習することが大切です。

正しい「根元の間隔」を揃えるテクニック

生え際からの距離をどのくらい離すのかは、先ほど1mm程度を目安として微調整が必要とお伝えしましたね。ただ本当に大切なことは、お客様にとって最適な距離を見極めることだけではなく、その距離を一定に揃えるということにあります。

生え際からエクステの根元までの距離をきちんと揃えると、

  • アイライン効果が強まり、目元がぱっちりと大きく見える
  • アウトラインが美しく揃う

といった状態に。中でも「アウトラインを揃える」というのは、マツエクの仕上がりを左右するとても重要なポイントです。こちらの写真は美しくアウトラインが揃った状態。毛先のラインがきれいに放物線を描いていますね。

そしてこちらが、アウトラインが乱れた状態です。(で示した部分を見てみましょう)

いかがでしょうか?写真で比較すると、その差は歴然としていますね。アウトラインを揃えるための方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

また、生え際からの距離とアウトラインについてセルフチェックする方法としては、先ほどもご紹介した「ばらつきが気になるお客様への的確なアドバイス!「自まつげマネジメント」をマスターせよ」の中の「向きを揃えるための練習方法」が効果的。

紙に書いたまつげの絵にラインを合わせるようにしてエクステを装着していき、真上から見てカールが分からないほどまっすぐになっていればOK。(写真左上の状態)
手軽にできるだけでなく、生え際からの距離やアウトライン、向きの乱れなどが客観的にチェックしやすいためおすすめですよ。練習したものをとっておけば、比較することもできます。ぜひ試してみてくださいね。

まとめ

マツエクというのは、まだまだ発展途上の世界。日々、さまざまな新技術が登場するため「講習会やセミナーに参加してスキルアップしたい!」と考えるアイリストも多いでしょう。ただ、スキルアップのヒントは案外、普段の施術の中の基本的なテクニックの中にあるのかもしれません。多くのお客様から指名を受けるような人気アイリストは、ベースの基本テクニックをしっかりと極めている方が多くいるのです。みなさんもぜひ初心に立ち返り、今回ご紹介したようなテクニックがしっかりと身についているかどうか見直してみてくださいね。

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